ニーズとウォンツ そうじゃないんだよ桃太郎さん

ニーズとウォンツ
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そうじゃないんだよ、桃太郎さん

モモが欲しい。どうしようもなく身もだえているオニがいる。
彼は心ゆくまで、ほおばったとたんにほとばしるあの香り高いモモの果汁、ふる里の味、それを楽しみたいと身もだえているのである。

そこに赤い頬をして親切そうなハチマキ姿の若者がポクポクと通りかかる。なぜか、若者は人ではない3匹のお供を従えている。が、そのお供はなんとなく首をうなだれているようにも見える。

若者は聡そうな目で彼を見つめ、ウマそうに熟したモモをすっと差し出した。彼はパッと目を輝かせ若者の手のひらのせられたモモに顔を近づける。でも、じっとモモを見つめるとため息だけついて背を向けていってしまう。

せっかく熟れたモモをあげようとしたのに何が気に入らないんだよ、若者はムッとして彼を追いかけて言った。
彼は振り返ると顔を真っ赤にして叫ぶ、残念だけどボクは欲しいモモはそのモモじゃないんだよ。
この勢いにせっかくの親切を仇でかえされた若者も、その落胆ぶりに言い返す言葉もなく立ちすくんでしまう。

耳のいい3匹のお供は、半町ほどやや上り気味の離れたとこにある大きな樹の下で、言われたとおり若者をまっていた。
海へと向かう浜街道に夏のカンカン照りの太陽が照りつけていた。
3匹は日射しをさけた樹の下で、互いに話し合うこともなく同じことを思っていた。
まただよ、ちがうちがうんだ、そうじゃないだよ桃太郎さん。

解決すべき課題はニーズです

デジタルでもアナログでもマーケティングのアンマッチでよくある話です。

桃太郎はオニのニーズとウォンツを間違えているんですね。
桃太郎の考えるオニのニーズは、口の中いっぱいに広がるジューシーな果汁が味わいたい。そのために、モモを欲しがっているんだ、と考えているわけです。

でもそうではありません。オニのニーズは郷愁、望郷の念、里ごころ、思慕、ホームシックといったところです。
そしてそのニーズを叶えるものとして、ふる里の味、ほとばしる香り高いモモが期待されているのです。解決すべきはニーズなので、桃太郎が察すべきはオニのふる里の味、いやふる里の話だけでも良かったのかもしれません。オニが背を向けてしまうことはなかったでしょう。

ストーリーを物語る、ナラティブ仕立てのウェブマーケティングへ

わたしたちはウェブマーケティングを提供する会社です。
ウェブマーケティングにはいくつかの手法があります。わたしたちが採る手法はコンテンツマーケティング、とりわけストーリーテリングのアイデアを組み込んだナラティブ仕立てのウェブマーケティングにフォーカスしています。

どの会社でもそれぞれ持つ価値のある知見を発見、編集してウェブに公開してゆく。
この取り組みを継続的に行うことは、ウェブ上のアクセスユーザーが抱える課題を解決する回答となる候補を提供することになります。そしてその取り組みはやがて信頼へとつながり、アクセスユーザーを単なる閲覧者から顧客というステータスへ登らせることになるでしょう。

かってのウェブ、YahooやGoogleに代表されるウェブは完全にオープンな世界でした。
その結果、膨大な情報量を人は獲得することができましたが、同時に頭のなかの情報はオーバーフローしてしまっています。

そのウェブでユーザーに選択されるものとなるために必要な一歩は、ユーザーの記憶にとどまることです。
どの国、地域、文化でも数千年に渡って記憶されてきた「物語」は、固有のコンテクストを持ち情報保存の高い体系をもっていると証明されます。

わたしたちがナラティブ仕立てのウェブマーケティングを採るのは、物語がもつ高い情報の保存能力を借りて、ユーザーの記憶にとどまる確かな一歩を踏みしめるためです。だから連想のウェブマーケティング。ストーリーを物語るナラティブ仕立てのウェブマーケティングを創発してゆくことに決めたのです。

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